
川の底からこんにちは
本作まで国内外の各映画祭で評価され、自主製作映画界のホープだった石井監督によるぴあフィルムフェスティバルスカラシップ作品で、彼の商業映画デビュー作。格差社会を背景にしつつ人間のエネルギーを笑いの中に描き、幅広い層の共感を呼ぶ佳作。 上京して5年、仕事も恋愛もうまくいかず妥協した日々を送るOL佐和子は、父親が病で倒れたことから帰郷。一人娘のの自分が父が営むシジミ加工工場を継がざるを得なくなる事態に。当初は渋った佐和子だが、妻と別れて自分で子どもを育てる恋人の健一は、地方暮らしのよさを積極的に受け止め、結局佐和子は健一とその幼い娘、加代子を連れて帰郷。工場は業績不振で倒産寸前な上、自己主張が強い年上の女性従業員たちの中、困り果てる佐和子だが……。