
花を喰う蟲
憎しみも歓びも官能の軸にめくるめく第二の性 強烈! 大胆なタッチで女の愛と性を描く黒岩文学の異色問題作!!
不良女工の奈美は、仲間の陸たちと横浜で狂ったように遊び呆けていた。生活のすべてに退屈し、刺激を求めて黒人に喧嘩を売った彼女らは警官に追われたが、都会的な中年紳士・香本に助けられた。あどけない美貌のなかに時折ちらつく小悪魔的な影、しなやかな肢体-奈美に興味を持った香本はナイトクラブに案内し、ついにはホテルにまで連れ込んだが、彼女の身体には指も触れずに去った。しかし香本はこの時「より美しく、そしてえらくなりたいなら俺のところへ来い」と囁いていた。その一言に魅せられた奈美は数か月後、見違えるように美しくなり、香本の狙い通り数々のミス・コンテストで栄冠を勝ちとっていくが…。